株式会社キャリア 様 【月1万件の消込を数十分へ短縮!HDCの伴走支援で挑む「秘伝のタレ」脱却と自社開発への革新】

株式会社キャリア 様 【月1万件の消込を数十分へ短縮!HDCの伴走支援で挑む「秘伝のタレ」脱却と自社開発への革新】

月1万件の消込を数十分へ短縮!HDCの伴走支援で挑む「秘伝のタレ」脱却と自社開発への革新

北海道を拠点にコールセンター運営や各種通信回線の取次、BPO事業を展開し、企業のビジネスインフラを支える株式会社キャリア。
同社は、長年つぎはぎの改修を重ねて複雑化した顧客管理システムと、毎月1万件に及ぶ入金消し込み業務という、肥大化したデータの壁に直面していました。

本記事では、道東初のサイボウズオフィシャルパートナーである株式会社Hokkaido Design Code(以下、HDC)のコンサルティングおよび開発伴走支援によって、システム会社へ依存しない「自走する組織」へと変革を遂げ、さらには新たなパートナービジネスの創出へと舵を切ったキャリアの導入事例をご紹介します。

独学のAccessから、つぎはぎのkintoneへ。「秘伝のタレ」と化したシステムの限界

「kintoneではこれ以上の請求管理は無理かもしれない。一時はそう諦めかけていました」。そう当時を振り返るのは、キャリアのシステム構築を牽引してきた古内氏です。キャリアでは以前、社員が独学で構築したAccessベースの基幹システムを利用していましたが、扱える人間が1人という属人化と、検索性の低さによる現場の業務遅延が深刻な課題となっていました。そこで2020年頃、管理のしやすいkintoneへと乗り換えを決断します。

しかし、ノーコードツールであるがゆえの自由度の高さが、新たな課題を生み出すことに。自社で構築と改修を重ね、プラグインを重ねて追加していった結果、データが散在し、顧客管理アプリのフィールド数は450を超えるまでに肥大化。「秘伝のタレ」のように複雑に絡み合ったシステムはカオス化し、もはや社内では手をつけることができないパンドラの箱となっていました。特に深刻だったのが、毎月1万件前後にのぼる請求の入金消し込み作業です。複数のファイルから手作業で情報を集約し、Excelで管理していましたが、データが重すぎてファイルを開くだけで5分以上、さらに作業完了までに毎月2〜3日という多大な工数がかかっていたのです。

独自の複雑な業務仕様を満たすため、一時は初期費用数千万円、月額200万円という専用サーバーシステムの導入を、半分諦めながら検討するほど、キャリアのシステムは限界を迎えていました。

■Hokkaido Design Codeが提示した「パンドラの箱」を紐解くフロー図

そんな諦めムードが漂う中、釧路の蕎麦屋でキャリアの経営陣が、Hokkaido Design Codeの代表である木村に出会います。女性だけでkintoneビジネスを展開するHokkaido Design Codeの存在をちょうど調べていたというキャリア側は、その場で意気投合。毎週の定例打ち合わせによる伴走型支援プロジェクトが、即座にスタートすることとなりました。

木村がまず行ったのは、開発の代行ではなく徹底的な業務の棚卸しと可視化でした。

「木村さんはわずか1〜2回目の打ち合わせで、膨大に存在していた社内アプリの相関関係をすべて明記したフロー図(マッピング)を作ってくれたんです。これには本当に驚きました。自分たちでは全容がわからなくなっていたシステムの全体像が一目でクリアになり、どこに手をつけ、どこを削減すべきかが明確になりました」(古内氏)

Hokkaido Design Codeは客観的な視点から「なぜこのルールでナンバリングしているのか」「この使っていないフィールドは本当に必要なのか」と次々に問いかけ、過去の名残で残っていた不要な業務プロセスを浮き彫りにしていきました。

キャリアの強みは、社内に「自分たちでシステムを作りたい」という高い意欲と基礎スキルがあったことです。それを最大限に活かすため、木村は設計思想を伝え、実装はキャリアの担当者が自ら行う「教育型伴走支援」のスタイルを提案しました。

■月200万円のコストを回避!AI開発×HDCレビューで実現した「一発でできる自動消込」

具体的な施策としては、最優先課題であった入金消し込みの自動化に着手。キャリアでは、社内でAIを活用してJavaScriptコードを生成する先進的な試みを行っていました。しかし、JavaScriptの深い専門知識がないため、動作の安定性やコードの最適化に課題を抱えていたのです。

こうした中で、木村はコードをレビューし、キャリアの社員が修正するという流れを採用します。

「自分たちで書いたJavaScriptコードに対して、『こう書けばkintoneの作法として動作がもっと速くなる』『この記述にすれば他のアプリでも使い回ししやすい』と、木村さんが即座に的確なアドバイスをくれました。単に答えを教えるのではなく、レビューを通じて私たちのスキルを底上げしてくれたんです」(古内氏)。

こうして完成したのが、既存の請求蓄積アプリに最適化されたJavaScriptロジックを組み込み、入金結果のCSVデータを取り込んでボタンを押すだけで、過去の請求まで自動的に遡って消し込みが完了する仕組みです。これまでExcelで2〜3日かかっていた消込作業が、わずか数十分と劇的に削減されました。

手作業によるミスや不安が完全に排除されただけでなく、一時は導入を覚悟していた月額200万円の外部システム費用を完全に回避することに成功したのです。

さらに、カオス化していた顧客管理アプリの解体にも着手。1つに詰め込まれていた商材情報や請求情報を、管理しやすい別アプリへと切り分けて連携させ、450あったフィールドを302まで削減。複雑だった代理店向けのアカウント表示制御もすっきりと整理され、システム会社に頼らなくても自社で商材追加や仕様変更ができる、強固な内製開発基盤を確立しました。

■自社活用の成功体験を「武器」に。北海道から全国へ広がるパートナービジネスへの挑戦

Hokkaido Design Codeとの協業が生み出した最大の成果は、数字以上に現場の自信とマインドの変化でした。

「自分たちだけで悩んでいた時は、システムの遅延に目を瞑ったり、パンドラの箱から逃げたりしていました。しかし、毎週お尻を叩いて伴走してくれる木村さんというプロの存在があったからこそ、年単位かかると思われた大改修を圧倒的なスピード感で乗り越えることができました」(古内氏)。

現在キャリアでは、社内のエンジニアや営業担当者がkintone認定アソシエイトなどの資格取得を進め、IT活用能力を飛躍的に向上させています。そして、この自社開発で得た業務改善の成功体験と、Hokkaido Design Codeから学んだフローマップを用いた設計ノウハウを新たな武器に、自社の顧客に対してkintoneの導入提案を行う「パートナービジネス」への参入を表明しました。すでにHokkaido Design Codeと連携し、ビジネスの進め方やプラグイン選定の相談を重ねながら、第1号となる顧客への提案・契約獲得プロセスが始まっています。

単なるシステムの改修にとどまらず、企業の体質を自走する組織へと変革し、新たな事業の柱までをも創り出す。Hokkaido Design Codeの伴走型支援は、地方企業が真のDXを成功させ、未来のビジネスを切り拓くための強力な羅針盤となっています。